あなたは、どんな風にトレーニングを作っていったら良いのか迷っていませんか?
- 「ジョギングってどれくらいしたらいいの?…」
- 「高強度の練習って、週何回したらいいの?…」
など、悩みは様々だと思います。
そんな人におすすめなのが、「Polarizedトレーニング」です!
この言葉を聞いて、意味不明な人は多いでしょう。
でも、この記事でしっかりと解説しますので、安心して参考にしてください!
Polarizedトレーニングとは?
Polarizedトレーニングとは、トレーニング全体の80%を低強度のトレーニング、残り20%を中強度及び高強度にするトレーニングのことです。
「Polarized」は日本語で「二極化する、対立する」などの意味があり、低強度と中高強度という、相反するトレーニングを組み合わせるというものです。
この80%や20%という割合ですが、一般的に時間が用いられることが多いです。
例えば、1週間に320分の低強度のトレーニングを行う場合は、中強度および高強度のトレーニングは、80分となります。
トップ持久系アスリートのトレーニング内容を分析した結果、トレーニングがこのPolarizedトレーニングによって構成されていたことが以下の研究で分かったのです!
参考文献(英語)

そもそも運動強度とは?
Polarizedトレーニングは、低強度と中高強度を組み合わせることで成り立つトレーニングでした。
では、低強度と中強度、高強度のトレーニングでは、いったい何が違うのでしょうか?
以下で詳しく解説します!
運動強度の目安を知るのによく使われる指標2つ
まず、運動強度の目安を知るのに、よく使われる指標は次の2つです。
1.血中乳酸濃度
1つ目が、血中乳酸濃度(mmol/l)です。
血液の中にある「乳酸」の濃度のことです。
乳酸とは、体に蓄えられている量が少ない糖が利用されることで発生する物質です。
よく、乳酸=疲労物質と思っている人もいますが、最近では乳酸が発生しても、徐々に再びエネルギー物質に戻るということが分かっています。
ただし、乳酸はたまりすぎてしまうと疲労の原因となってしまうということは、まだ変わりはないようです。
そのため、血中乳酸濃度が一気に上がるポイントを見て、運動強度を分けることができます。
2.心拍数
2つ目が、心拍数です。
知っている人も多いとは思いますが、心拍数は運動が激しくなるごとに、多くなります。
運動強度は、自分の最大心拍数を100%として、割合で求めていくのが一般的です。
例えば、最大心拍数が200で、走っている際の心拍数が160の場合は、
160÷200×100=80%となります。
最大心拍数は、220-(年齢)という式でも求められますが、正確に知りたければ、インターバルを何本か繰り返したときの心拍数の最大値となります。
次に、各運動強度で、血中乳酸濃度や心拍数がどうなるのかを解説していきます!
低強度のトレーニングの場合
低強度のトレーニングとは、一般的に血中乳酸濃度が2mmol/l以下、最大心拍数の77%以下でのトレーニングのことです。
ペースに換算すると、ジョギングやLSDの際のペースに値します。
この強度の運動を80%ということですから、トップアスリートでさえも、かなり低強度のトレーニングを行っていることが分かりますね!
中強度のトレーニングの場合
中強度のトレーニングとは、一般的に血中乳酸濃度が2~4mmol/l、最大心拍数の78~92%のトレーニングのことです。
血中乳酸濃度が2mmol/lになる部分のことを一般的にLT値と呼びます。
ペースに換算するとフルマラソン〜10000mのレースペースくらいです!
最初に、Polarizedトレーニングは、全体の80%を低強度、残りの20%を中強度もしくは高強度トレーニングとお伝えしましたが、この中強度のトレーニングはあまり増やしすぎないことが大事だそうです。
また、高強度と中強度を組み合わせたトレーニングのみでは、持久系パフォーマンスの能力が伸びにくくなったとするデータもあります。
中途半端な練習をするよりも、低強度と高強度の両極端のトレーニングを行う方が推奨されています。
こうすることで、疲労がたまりにくいので、自律神経の状態を悪化させずにすみます。
自律神経と疲労の関係については、以下の記事を参考にしてください!
参考記事

ただし、もちろん例外もあります!
ノルウェーのインゲブリクトセン兄弟は中強度の練習の割合がとても多いですが、かなり活躍されてます!
練習に正解はないのです!
このPolarizedトレーニングは多くの人に当てはまりやすい練習方法であって、万人に当てはまるとは限りません!
ただ、試してみる価値はアリです!
高強度のトレーニングの場合
高強度のトレーニングとは、一般的に血中乳酸濃度が4mmol/l以上、最大心拍数の92%以上のトレーニングのことです。
血中乳酸濃度が4mmol/lになる点を、第2のLT値、OBLA(オブラ)といったりします。
ペースに換算すると、10000mのレースペース以上に値します。
また、補足として、3000mのレースペース以上の強度を超高強度と呼ぶことがあります。
Polarizedトレーニングでは、この高強度のトレーニングを中強度とも合わせて、全体の20%としましたが、競技レベルがまだあまり高くなければ、これより少なくして低強度のトレーニングをしっかりと積んだ方が良さそうです。
ですので、高強度のトレーニングも、人によっては、全体の10~15%が合うということも十分にあり得ます!
極端に割合を変えてしまうと効果が薄れますが、微調整程度であれば構わないので、ぜひ自分に合う割合というものを探していきましょう!
まとめ
この記事では、低強度と高強度という両極端のトレーニングを組み合わせた「Polarizedトレーニング」を紹介しました。
今まで何となくメニュー組んでいた人も、この記事を見て納得していただけたでしょうか?
このトレーニングが合うかは分かりませんが、試してみることで伸びるきっかけになることがあります!
この記事を読み、「Polarizedトレーニング」について理解され、実践することで自己ベストを更新のきっかけになれば幸いです。
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