先日、このようなツイートをしました。
もう自分に合う練習、合わない練習の判別はやめる。
そもそも、調子を構成する要因は、練習だけでなく、食事や睡眠、疲労など様々。
だから、その中の練習だけを見て、その練習のおかげで調子が上がったと思うのはある種の錯覚だと思う。
圧倒的に間違いな練習は避け、いろんな練習を取り入れていく。— たつき@ランナー (@tatchanrunner) May 21, 2020
そこで、今回は、自分に合う練習・合わない練習を判別するのは、不可能に近いと私が思う理由を3つ挙げてみました。
競技を続けていると、やっぱり自分に合う練習というのがあって、その練習をやれば伸びるのではないかと思うことが度々ありました。
しかし、以下の3つの理由を踏まえると、そもそも自分に合う・合わない練習の判別は不可能に近いのではないかと考えました。
ぜひ、この記事を読んでいろいろ考えてみてください。
1.練習の効果がいつ表れるかは分からないから
1つ目の理由が、練習の効果がいつ表れるかは分からないからです。
練習の効果はすぐに表れることもありますが、大抵の場合、長い時間をかけて表れます。
仮に、つい最近ある練習を取り入れ、調子が良くなったり、タイムが伸びたとしましょう。
この場合、多くの人は状態が良くなった原因は、最近取り入れ始めた練習のおかげだと考えると思います。
しかし、私はその練習で状態が良くなったと思い込むのは、確実な根拠がないため、危険だと思います。
もしかしたら、1ヶ月や3ヶ月、もしくはそれ以前に行っていた練習の効果が表れているのかもしれません。
人間はすぐに成果を求めたがる生き物です。
それだけに、成果はすぐに出るものだと錯覚してしまうことが多いです。
長い目で見てみることも大切だと思います。
2.同じ練習でも調子が良いときと悪いときがあるから
2つ目の理由が、同じ練習でも調子が良いときと悪いときがあるからです。
合う練習と合わない練習を判別する際に考えるのが「調子」だと思います。
合う練習であれば、調子が良い、もしくは良くなり、合わない練習であれば、調子が悪い、もしくは悪くなるといった具合です。
しかし、よく1、2回の練習で調子が悪かった、もしくは悪くなったからといって、そのときに行った練習は自分には合わないと決めつけてしまう人がいます。
レースでも調子が良いときと悪いときがあるように、練習でもそのようなことがあるのは当たり前です。
何十回、何百回とやって合わないのなら話は別ですが、たった数回その練習をやって調子が悪かった、もしくは悪くなったと考えてしまうのは単純すぎると思います。
きちんと調子を合わせれば、合わないと決めつけていた練習もきちんとこなせ、その後調子が上向きになる可能性も十分あり得ます。
実験は数をこなすごとに正確さが上がるように、本当に合う・合わないを判別するには、それなりの回数が必要です。
3.合う・合わないを確証するためには、完璧な対照実験が必要だから
3つ目の理由が、合う・合わない練習を確証するためには、完璧な対照実験が必要だからです。
この理由が、私の中では一番重要だと思っています。
対照実験とは、因果関係を説明するために、条件1つだけを変えて、他の条件は同じにする実験のことです。
小学校の理科の授業で、植物が発芽するための条件を調べる実験とかしませんでしたか?
あの実験で、水が植物の発芽に必要かどうかを調べたいのであれば、水をやる・やらない以外の条件は一緒にしましたよね。
あんな感じです。
調子を構成する要素は、練習だけではなく、食事や睡眠、肉体的・心理的ストレスなど、様々です。
その練習が合う・合わないというのを確証するためには、調子を構成する要素の中で、練習だけ条件を変えてあげなければなりません。
しかし、実際問題、それは不可能だと考えます。
食事や睡眠を同じ条件にしてあげることはできなくもないですが、肉体的・心理的ストレスなどを同じにして実験するのは不可能だと思います。
イライラする日とハイテンションな日、平凡な日というのは、周りの環境の影響が大きく、自分でコントロールするのは難しいです。
したがって、こんな対照実験はできっこないです。
なので、その練習によって、
- 調子が良くなった=その練習は合う
- 調子が悪くなった=その練習は合わない
と考えてしまうのは、間違いだと思います。
調子が良くなる・悪くなる要素というのは、他にもたくさん存在するのに、その中の練習だけを見て判断するのは正しいとは言えないからです。
捕捉:確実に合わない練習というものはある
これまで、合う・合わない練習を判別するのは不可能に近いと言うことを主張しましたが、例外はあります。
それが、確実に合わない練習というものです。
例えば、毎日高強度の練習をやり、落としのメニューや休養を入れないとか、スピードをつけたいのにジョグしかしないなどです。
普通に考えてみても分かると思いますが、こんな練習は誰が考えても、合わない練習に該当すると思います。
確実に合わない練習は避けて練習すると良いと思います。
結論:好き嫌いなく、いろんな練習を取り入れてみた方がいいと思う
最後に、この記事の結論です。
私の考えなのですが、練習に合う・合わないを判別するのではなく、いろんな練習を好き嫌いなく取り入れるのが良いと思います。
というか、合う・合わないを判別するのは、ほぼ不可能です。
いろんな練習を取り入れてあげれば、練習のバリエーションが増え、練習に飽きが来ません。
飽きが来なければ、練習も長続きしますし、楽しみも増えます。
私自身も、つい最近まで練習の合う・合わないを判別しようとしてしまっていましたが、これをきっかけにやめることにしました。
正解がない問いをいつまでも悩み続けることはしません。
もっといろいろな角度からアプローチしていきたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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